2021年6月21日、夏至の日。株式会社ayatsumugiを設立しました。走り始めるのはこれからですが、まずは活動の器ができたことを喜んでいます。
法人設立の記念に、最近の学びや暮らしから立ち上がってきている思考を書き記してみます。
トップ画像の素敵なフラワーアートは敬愛するプロセスワーカー、エイミー・ミンデルの夏至祝いの投稿から拝借しました。私も数年来探求しているプロセスワークの、数多い実践者の中で、エイミーの繊細さと美しさを見出す力に、共感と憧れを感じます。
エイミーを彼女の著作『メタスキル ー心理療法の鍵を握るセラピストの姿勢』で知っている人も多いかもしれません。この著作の中で、彼女はクリエイティビティやユーモアを、セラピストにとって大事なスキルとして位置付けています。
彼女は日々、フラワーアートでクリエイティビティを伸張しているよう。ときどきFacebookにあげてくれる新作フラワーアートが素敵で、いつもうっとりと眺めています。
昨日立ち寄った青山ブックセンターで、『わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために ーその思想、実践、技術』という本を手にしました。その中で、ごくシンプルで深遠な問いがあり、帰りの電車で本を読み進めながら、その問いをめぐるここ数ヶ月で鮮やかだったいくつかの経験を思い浮かべていました。
毎日のファッションで自分らしさを表現できたとしたら?
ひとつは、スタイリストの長田広美さんが提供する「ファイブエレメンツ・ファッションシステム」の講座で感じたこと。
ハイブランドのランウェイで数々の仕事をこなしてきた経歴を持つ、スーパープロフェッショナルな長田さんが、「その人の持つエネルギーと洋服がマッチすると、内側から輝いているような魅力がでるの。それが本当に素敵で!」と、本当に嬉しそうにお話されているのを聞いて、「楽しそう!」と、講座に参加したのが3ヶ月前。
陰陽五行思想の「木・火・土・金・水」に、個々人の持つエネルギーを当てはめて、自分らしさを活かしつつ、異なるエネルギーをミックスしてアレンジを加えたり、色や体型に似合う着こなしを、惜しみなく教えてくれました。
私の診断では「土」のエネルギーが強いとでました。けれど、これまで自分自身が選んできたファッションにはあまり「土」のイメージのものがなかったのです。なぜだろう?と、深く自分に聞いてみると、土のイメージの中にある、落ち着き、洗練、知的さ、など、自分がすでに持っている自分自身の良さを、「自分が」認めていなかったことに気が付かされました。
自分が持っている知的さや洗練を表す洋服や小物を選んで身につけてみると、本当にぴったりと似合うのです。そして嬉しい。トップスタイリストの長田さんに「素敵!」と褒めていただけて、余計に嬉しいのですが、似合うものはもう既に自分自身が知っているのだという感覚も同時に湧いてきました。
あ、これはWell-beingだと。本来の自分をファッションを通じて表現できているのは、とてもよいあり方ができているのだという自信に直結するのです。
ファッションって、本当に奥深い。
コーチとして対人支援をしていても、人は自分自身の良さに無自覚なことが頻繁にあります。でもそれは、他者から指摘をしてもらってどうにかなる確率は低く、自覚することでしか自己受容は進んでいかないものなのです。この深さで、自分の良さに気がつき、認め、自分自身を受容する経験が、ファッションを通じてできてしまうとは! と、本当に驚きました。
自分を表現できている人は、パワフル!
女性起業家を写真入りで紹介する『自分で「始めた」女たち』には、パワフルな女性起業家が10代から90代まで、100名以上登場します。本を開くたびに、彼女たちのポートレートに目が釘付けになります。
どの人も、誰にも似ていません。そして、着ているもの、髪型、背景に移る作業場の様子。どれもその人と手がけるビジネスが持つエネルギーを体現しているよう。ぴたりと似合っています。
世間によくある枠組みに自分を押し込んで、よくある役割や生き方からはみ出して、自分で「始めた」人は、自分自身の個性しか指針になり得るものがないと感じることも多いでしょう。そんな彼女たちだからこそ、より自分らしく、自分を認めて愛して、自分にピタリと似合う洋服が選べるのだろうなと感じます。
感性や感覚は変容の川を進むオールになる
もうひとつは、プロセスワーク・コーチングのコーチ仲間が教えてくれた本『人が成長するとはどういうことか 発達志向型能力開発のためのインテグラル・アプローチ』に書かれていたこと。
この本では人の発達段階をいくつかに分け、ある発達段階から次の発達段階に移行する時期を、「変容期」と捉えています。
そして、おおよそ5年はかかる変容期には、それまでの発達段階で「発達し残していた部分」に向き合うことが必要とされると定義されていました。つまり変容とは、その人がもともと持っている、発達し残しの部分、または「影」の部分を統合していくことで促されるのです。そのプロセスには時に痛みや恐れがあるでしょう。そんな変容の旅を進める鍵が、感性や感覚にあるそうです。
誰もが高次の発達段階に到達しなければならないわけではありません。時に深いトラウマとも接してしまう変容を、誰もが経験するわけでもないし、経験しなければならないものでもありません。けれど、前述の枠から飛び出してしまった起業家のような存在は、変容を余儀なくされるステージにいるともいえます。
より大きな視座で捉えると、地球変動の時代に生きる私たちは、既に地球規模での変容を余儀なくされています。いまを生きる私たちは、どちらかといえば変容していくしか選択肢がないのかもしれません。
つまり何が言いたいかというと、こんな時代だからこそ、感性や感覚がひらかれていることはWell-beingであるといえる、ということ。例えそこに痛みや恐れが存在していてもです。
アートで感性から変容を呼び込む
「友川さんにとって、美しいってどんなことですか」と問いかけられた時に思わず「五感が喜ぶこと」と応えていました。美学的に論じれば、美の世界には良い悪いは存在しません。感性に響くかどうかが、美のものさしとだともいえるのですが、私自身の美の定義は、五感が喜ぶこと。視覚や聴覚に限らず、味覚、触覚、嗅覚まで。
株式会社ayatsumugiは、これまでの私の経歴のとおりに、アートを主軸にしていきます。より多くの人にアート体験を届けたい。それをアーティスト・ファーストでやれたらいいな。というのが、今の私のふんわりとした事業計画です。私の美のものさしが「五感」なので、扱うのもきっとファインなアートだけに留まらず、分野横断的にプロジェクトを展開していくことになるでしょう。
ではなぜ、アートなのか?
地球規模の変容期に、Well-beingをつくりつづけるには、アーティストとアートの力が助けになるはず。そうした直感が常に胸に湧いているからです。そして、いままで全体性の中に統合されてこなかった、シティ・シャドウ(市井の影)としてのマイノリティの存在もきっと、同じく助けになると考えています。
コメント