『百年の愚行』と西荻窪のパティスリー


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2020年4月30日のFacebook投稿


【7日間ブックカバーチャレンジ 3日目】

『百年の愚行 ONE HUNDRED YEARS OF IDIOCY 』

Think the Earthプロジェクト


地球環境に人間がいかに愚かな行いをしてきたか。

愚行をクリエイティブに編むことで、読み手の心の深部を揺らす。


#7日間ブックカバーチャレンジ

#7bookcovers

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コロナの自粛期間中に流行ったブックカバーチャレンジで、私が紹介した一冊が、この『百年の愚行』である。世界で一番好きな、こんな本が私にもいつか編めたらいいなと憧れてやまない本である。


ある日、普段はNPO支援の仕事などをしている友人が突然「作家として展示をします。作品のひとつに友川さんから受け取ったものを活かしています。感謝!」と、メッセージを送ってくれた。


この時には、まさか私のブックカバーチャレンジを見てくれていたのだとは想像もつかず、ただただ、私のアクションを受け止めてくれたということが嬉しくて、展示に伺う日程を決めてカレンダーに予定を入れた。


展示に伺う予定にしていた日曜日、根津のギャラリーを訪れると、『百年の愚行』が、バラバラに解体されていた。


世界中の人間の愚行を写した、美しい写真を載せたページの数々が、壁にコラージュされていて、すぐ下の床にも散らばっている。床には「かわ」ひとつになった本のカバーもまた、ぽつりと立っていて、一連の写真がかつて、『百年の愚行』という本に編まれたものだったことを示している。


よく見ると、天井から下がった糸に貫かれて、いくそうにも重なって展示されている写真だけは、本から抜き出されたものではなく、作家である友人のここ半年ほどの日常の風景だと気が付いた。


美しくセンセーショナルな愚行の数々が撒き散らかされた壁に寄り添うように、今年、コロナで大変な状況の中で赤ちゃんを迎え、生まれたばかりの我が子にしばらく会えなかった、新米パパの、ちょっと切なくも暖かい日常の風景が、みっしりと重なって、ひとつの糸に貫かれて存在していた。


その対比は、私をちょっと、キュンとさせてくれた。


世界には淀んだ澱が存在している。人間は地球に対してとっても不誠実だ。そして今年、コロナが私たちを襲った。そんななかでも、小さな日常は大きな幸せを含んで重ねられていく。とても不確実なものに支えられながら。


人間は本当に愚かで、愛おしい。だからこそ、身近な愛しいものをぎゅっと抱きしめていよう。


友人の作品は、そんな風に思わせてくれたのだ。


会場で友人にも半年以上ぶりに再開でき、奥様と小さな息子さんにもお目にかかれた。いつも誠実で優しい彼らしく、来てくれてありがとうの印に、息子さんのお名前入りの小さなメッセージカードと、満月みたいなクッキーをひとつ、手渡してくれた。


香ばしくて、サクサクのクッキー。見ると、友人夫婦の自宅の近所にある、西荻窪のパティスリーHiroya Minamisawaのココナッツサブレであった。


小さくて確かな幸せの味がした。


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