六本木の新アートスペースとアウトドアランチ



六本木交差点から、東京タワーが見える方向に歩いて数分、もとはカラオケ屋さんだったビルの2〜7階に、ANB Tokyoがオープンした。アートのオルタナティブスペースである。現在は4フロアをつかったオープニング展「ENCOUNTERS」を11月8日まで開催中だ。


フロアごとに若手のキュレーターが企画をして、「SOURCE」「And yet we continue to breathe.」「楕円のつくり方」「NIGHTLIFE」といったテーマを立て、26組のアーティストが参加している。アーティストとアーティスト、アーティストとキュレーターの距離を感じない、「ある種のシームレス」さが、メッセージの繊細さを保持しながらもなお、集合体としてしか持ち得ないインパクトを展示にもたらしていた。それはとても、いまの「Tokyo」らしい、展覧会のつくり方だと感じる。


オルタナティブ・スペースと名乗る空間にしては、ずいぶんと品の良い展示でもある。けれどもこれが、ありのままの、いまの「Tokyo」なのだろう。


ところで、ANB Tokyoである。


スケルトンにされた天井や壁の空間で、青さや未熟さを残す才気に満ちた表現の数々を眺めていると、自分の内側からとめどなく「わくわく」した感じが溢れ出すのを、感じずにはいられなかった。ここは、私の好きな場所。アートが交わり、息衝き、社会をカラフルに躍動させていく心臓部になる場所なのだ。かつては佐賀町エキジビッド・スペースがそうであったし、10年前にオープンした3331が理想とするあり方。スパイラルを運営するワコールアートセンターが長年、試行錯誤し続けている手法でもある。


参考:類まれなアートスペース展と蕎麦


アート、ファッション、建築、テクノロジーなどなど、領域を軽やかに飛び越えて、アートのエッセンスを社会に浸透させていく装置。アーティストのよすが。人と人とが出会いつながって、新たな「たくらみ」を転がしはじめる時間。


言葉にしてしまうと、浅はかに感じてしまうのだけれど、敢えていえば、都市で他者と出会い続ける人のみが享受できる種の、豊かさがここにある。


ANB Tokyo を訪れた日は、小春日和の秋の日。弁当とビールを買って、東京ミッドタウンの芝生でのんびりとした。窒息しそうなTokyoのビル群のなかにも、深く息が吸える場所はある。



ANB Tokyo オープニング展

「ENCOUNTERS」


会期:2020年10月11日(日)~11月8日(日)

会場:ANB Tokyo 3F, 4F, 6F, 7F

住所:港区六本木5-2-4(六本木駅から徒歩3分)

開催時間:12:00〜20:00(入場は19:30まで)

休館日:月・火

入場料:一般 1000円、中・高・大学生 入場無料 ※受付にて学生証要提示

入場規制:10名/毎30分程度

入場方法:事前予約制


キュレーション:山峰潤也(TAA共同代表)、石毛健太、丹原健翔、西田編集長、布施琳太郎、吉田山、Tokyo Photographic Research


主催:TAA





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