類まれなアートスペース展と蕎麦

最終更新: 10月4日



日本初のオルタナティブ・スペースとされる佐賀町エキジビッド・スペースの展覧会が、群馬県立近代美術館で12月13日まで開催中だ。


このスペースの主宰者である小池一子さんの仕事を敬愛している私は、友人を誘っていそいそと出かけて来た。展覧会としては小ぶりだったが、展示空間のつくりかたに衝撃を受けた。品のいい展示のつくりかたであり、何かアヴァンギャルドなものがそこにあった訳ではない。だが、ひとつのコーナーで空間を見渡した際に、目に入る作品同士が干渉し合うことで立ち上がってくる、独特の色気と、一人の作家の作品群のアウラのみを感じられるように、他の作品の干渉を排除した閉じたコーナーが、一つの大きな空間の中で、絶妙なバランスでパッチワークのように組み合わされて共存していたところが圧巻だったのだ。


自らのスペースでなんども展示を繰り返して来た人ならではの、習熟された展示手法なのだと想像する。もうセンスとしか言いようのない凄みがそこにあった。例えば、ある地点から展示空間を眺めると、手前の大きな朱色の作品の向こうに、他の作家による作品に、ぽつり、ぽつりと、丸い赤が見えたりといったところ。


公共建築百選に選ばれている、磯崎新の手による群馬県立近代美術館の空間を生かしたように、キリムを敷き詰めた空間では、異国の大地から草の香りが立ち上がってくるようだった。


空間と作品とが呼応して、ここにしかない鑑賞体験を導きだしている。それも、「こうすると素敵でしょう?」と、耳元で小池一子さんが話しかけてくるような、美術史の文脈というよりもむしろ、生活の中の美学史が立ち現れてくるように感ずる。


鑑賞後の昼食は近くの梅田屋という蕎麦屋に行った。

https://retty.me/area/PRE10/ARE60/SUB6002/100001381217/


蕎麦もつゆも香り高く、新鮮なわさびも楽しませてもらったが、とにかく量が多い。油断して食べ過ぎ、帰りの電車のお楽しみにしていた、高崎名物だるま弁当に手が伸びなかった。群馬県立近代美術館と蕎麦という組み合わせは、なにやら人気のようで、おすすめの蕎麦屋のまとめサイトもあったので、参考にされたし。

https://retty.me/area/PRE10/ARE60/SUB6002/LND1520/LCAT5/CAT50/


帰宅後、いろいろと調べてみると、小池一子さんには『空間のアウラ』という著作がある。早速ぽちりと注文をしてみた。

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